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レッカー改:アーム固定位置の違いによる負担過重の変化についての考察

Calculation of one axes
2000.8.26



バンパーの辺りで受けた場合には、実は2つの大きなメリットがあります。 まず、アームが最短延長に出来るということが、大きなメリットの一つです。 もう一つのメリットは、実際にこの様にして牽引した場合、 牽引される車輌のA軸をアームで受けた場合よりも、レーカー車の負担は軽くなるということです。

つまり、車輌のフロントバンパーの辺りで受けた場合(図中P点)と、 普通の場合の受け位置(フロント軸下)の場合では、軸重のかかり方が違うわけです。 普通の場合の受け位置は、車検証の軸重数値で良いのですが、 フロントバンパーの辺りで受けた場合は、普通の場合の受け位置よりも前の方で受ければ受けるほど アームにかかる重量は少なくなります。

P点にかかる重量の求め方を、この図の数値を元にすると。。
牽引される車輌のA軸は浮いていますが、後輪の2軸、BとC軸は接地しています。つまり、 牽引される車輌の総重量は、このBとC軸の中間点とアームの受け位置P点の2点に振り分けられます。
よって、

L1:BとC軸の中間点から車輌の重心点までの距離
L2:BとC軸の中間点からP点までの距離を
W :車輌重量

とした場合、P点の軸重PWは、PW=L1/L2×Wで求められます。

P点の軸重を求める為には、L1、つまり、その車輌自体の重心点を求める必要があります。 これは、先の式と同様な考え方で、軸間距離と軸重から求められます。 A軸からBとC軸の中間点までの距離が上図より、4255mm、 車輌総重量が9280kg、A軸の軸重が4580kgとした場合、
L1=(4580kg×4255mm)÷9280kg=約2100mmとなります。
これで全ての数値が揃いましたので、PW=L1/L2×Wの式に代入すると、
PW=(2100mm÷5455mm)×9280kg=3572.5kg
よってP点で受けた場合3572.5kgとなります。これを 普通の場合の受け位置(フロント軸下)の場合の軸重の4580kgと比べると、 約1000kgの減量となり、吊り上げる負担が軽くなっています

これらの重量を実際にアーム最短延長で受けるのを想定して、 レッカー車の車輌積載時の前輪軸重量を求めると、
P点で受けた場合のレッカー車のアーム最小延長時の前輪軸重量は、約1564kgとなります。これを 普通の場合の受け位置(フロント軸下)の場合の軸重の約1016kgと比べると、 +約548kgと、前輪にかかる重量が増えて、余裕が増しています。 さらに、フロント軸下 で受ける場合、実際にはアーム最小延長で受ける事は、ほぼ不可能です。この場合には、 アームを最大に延ばす必要があり、その場合は、約608kgとなり、P点で受けた場合と比べると 1トン近く、フロントにかかる軸重に違いが出てきます。

この様に、同じ重量を持つ車体を牽引するとしても、吊り位置で、ずいぶん軽く牽引できるわけですが、 軽い車輌を牽引している“錯覚”に陥らない様に、十分注意してください。



レッカー車:三菱U-FK618J改の車輌積載時の前輪の軸重を求めます。
車検証より、空車時の軸重それぞれ、
A軸の重量 :2960kg
B軸の重量 :3150kg
乗員重量は2名(=110kg)とします。
積載される車輌のA軸の軸重(W)の入力:kg
フロントバンパーにバラストをkg積むとすると
(参考:現状のバラスト重量は、計算上約350kgが、搭載されていますので、350kgを入力して下さい。)

上記に数値を入れて、ボタンを押せばレッカー車:三菱U-FK618J改の車輌積載時の前輪の軸重を計算します。:

計算結果は次の通りです。

レッカー車の車輌積載時の前輪の軸重は、
アーム最小延長時のA軸重量は:kg
アーム中間延長時のA軸重量は:kg
アーム最大延長時のA軸重量は:kg
にそれぞれ変化します。
数値がマイナスになる時は、レッカー車のA軸が浮き上がります。




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