![]() |
| ||
今までやってきたことの要点を簡単に説明すると、 箱の容量を決めると、箱の中の空気のバネの力(Sc)が自動的に決まり、そのSc の力によって、ユニットのfoとQoが上昇し、focとQocの値が(やはり自動的に)決まり、 それらの値によって,スピーカーシステムとしての低域特性が決定される、ということです。 よって、スピーカーユニットの性格に合わせた動作は focとQocをいい具合に設定することにより、コントロール出来ることになるので、 focとQocの互いの関係を様々に値を変えて計算して見てきたというわけです。 ここまでしっかりとお付き合いしていただけた人たちには、もう御分かりでしょうが、 密閉型スピーカーシステムとしての低域特性を決める要因は、 そのユニットの持つ各種パラメーターを除くと 箱容量しかないわけです。ですから、密閉箱についての最初の項目、“密閉箱(Scとfocの計算)”に 載せてある計算式の箱容量Vcの数字を何度も入れ替え、その下に出てくるfocとQocの値を見れば、 全ての計算は終わっているともいえます。
よく見掛ける箱容量の計算式
(355a4)/mo×fo2×(n2−1)
n=foc/fo=Qoc/Qo
(書籍により(n2−1)の部分をまとめてKだったりαだったりします)
は、今までやってきたことを逆に辿って考えているわけです。 つまり、初めにfocあるいはQocの値を決めれば、それらの値から箱の容量の決定が出来るということです。 上記の式は、今までに使った式を元にできています。以下にその導き出す過程を書いておきます。 このことをちゃんと書いてある書籍に出会えなくて、かつて、とっても苦労しました。(私は数学が苦手です) やる気になった時に、ジックリと眺めて下さい。
Sc=(po×C2×(πa2)2)/Vcより、
Vc=(po×C2×(πa2)2)/Sc
これを展開して
Vc=(po×C2×π2×a4)/Sc・・・1式
po:空気の密度(kg/m3)=1.23
C:音速(340m/秒)
π:円周率(3.14)
a:ユニットの振動板有効半径(m、またはcm)
Vc:総内容積からユニットの一部、補強材を引いたもの=実効内容積(m3、またはリットル)
fo=1/2π(So/mo) ・・・foの元式と
fo=1/2π((So+Sc)/mo) ・・・focの元式より
foc/fo=(1/2π(So/mo))/(1/2π((So+Sc)/mo) )
foc/fo=普iSo+Sc)/mo)×(So/mo)
foc/fo=普iSo+Sc)/So
foc/fo=浮ro/So+Sc/So
foc/fo=浮P+Sc/So・・・2式
foc/fo=nと置き換え、2式に、
So=4π2fo2mo、を代入すると、
fo:振動系の最低共振周波数(Hz)
mo:振動系の実効質量(g)
n=浮P+Sc/(4π2fo2mo)
n2=1+Sc/(4π2fo2mo)
n2−1=Sc/(4π2fo2mo)
Sc=4π2fo2mo(n2−1)・・・3式
が得られる。
1式・・・Vc=(po×C2×π2×a4)/Scに
3式・・・Sc=4π2fo2mo(n2−1)を代入して、
Vc=(po×C2×π2×a4)/4π2fo2mo(n2−1)
Vc=(po×C2×a4)/4fo2mo(n2−1)
po=1.23
C=340を代入して
Vc=(142188×a4)/4fo2mo(n2−1)
Vc=(35547×a4)/mofo2(n2−1)
Vc=(3.55×104×a4)/mofo2(n2−1)・・・aの単位:mの時
Vc=(355×a4)/mofo2(n2−1)・・・aの単位:cmの時