.. Home- Next- Before- Menu Help- Mail

意匠/黄金分割 Design1999.5.21/2000.11.15updated



100分の1での0.3mmのずれは、大した事はありません。しかし、 1分の1に戻した時には、3cmものずれとな り、イメージが大きく変わってしまいます。実物では、たとえ5mmの違いでもやはり感じが違う。

紙の上と実物との変化。これは、大きな部分にも現れます。正確に縮尺して描かれたものでも、いざ実物になると 潰れて見えたり、縦長に見えたりします。例えば、建具サイズは縦が短めに見え、家のサイズになると縦が長めに みえたりということです。

古代から、最も美しいとされてきた分割の仕方が、黄金分割です。
これは、ある線をaとbに分割する場合、a:b=1:1.618の比率に分割することです。 この比率の事を黄金比と呼びます。この分割の仕方は昔から様々な方法で用いられています。 ミロのビーナスには様々なところにこの黄金比が、使われていますし、エジプトのギゼーにあるクフ王の ピラミッドの高さと底辺(146m×230m)の比も黄金率になっているというのも、有名な話です。 (注:全てのピラミッドが黄金比というわけではありません。) 実は、日本の法隆寺の伽藍配置の縦横の比率も黄金比になっています。
この様に、はっきりと言われ出したのは、19世紀になってからのことですが、古代の人たちはどうやってこの比率を まるで申し合わせたかのように、導き出したのでしょう。

“自然をよく見ていたからだ。”というのが、その理由だと思います。
なぜなら、多くの植物を始めとして自然界には、この黄金比が秘められているからです。
正五角形の各頂点を線で結んでゆくと、中にきれいな星型が出来ます。この中に 大小3種類の相似な二等辺三角形が出来てますが、 これらそれぞれの底辺と高さの比は黄金比になっています。
桜、梅、桔梗、朝顔、等の花は、・・・似てませんか?

前の数字とその一つ前の数字の和を次の数字にする数列を発見した人の名前にちなんで “フィボナッチの数列”といいます。
0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377、 610、987、1597、・・・・・
子供の頃、そうとは知らず、何気に計算してみたりしたことがある人もいるかもしれません。 一見、なんでもない数列のようですが、ここに自然の秘密の一端を感じることができます。 ひまわりの種の並び方、マツカサのうろこの付き方、ヒナギクの花びらの付き方などは、 この数列に従っています。そして、不思議な事に、 その増え方は、黄金比に限りなく近づきながら増えていきます。 先程のピラミッドの高さと底辺の寸法を、もう一度見て下さい。フィボナッチの数列とほぼ一致します。

エンクロージャーの寸法を決めるにあたり、黄金比を利用し、 よく底辺を1とすると高さを1.618とすると良いと簡単に言われます。 これは、間違ってはいませんが、利用法はそれだけでしょうか?実は、それほど単純でもありません。
上記の比は、小さな箱では、まとまりやすいバランスですが、チョット大きくなるとどうでしょう。 例えば、幅1mに対し、高さ1.618m。。。確かに黄金比ですので、箱のバランスは良いのですが、 これに38cmユニットを付けるのを想像すると、少し縦長すぎるように感じませんか?
黄金比の利用の仕方は様々あります。
二等辺三角形の場合は底辺と他の二辺との比でした。同じ三角なのにピラミッドは底辺と高さの比です。 四角の中に三角を見立てると。。。さらに、ユニットのサイズと各辺の比は。。 そしてそれを配置する比率は。。。etc 微妙なバランスの中にさらにちょっとした変化を忍ばせる。黄金比だけを考えてもやりようは 様々です。しかし、黄金比は、分割法の一つに過ぎません。まだまだ、いろいろな方法があります。 とはいえ、分割法に囚われるのもどうかとも思います。 自分の好みをしっかりと見据えて、うまく利用する。これが、楽しくも苦しくもあります。 まさに、産みの苦しみかもしれません。

a:b=1:1.618の比率に分割した数値を計算します。
aの入力 :
上記に数字を入れて、ボタンを押すとbを計算します。:


計算結果は次の通りです。






次のPageへ
前のPageへ
Menuへ戻る