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箱容量とポート面積 1999.8.1 Updated



箱容量とポート面積の関係は、何対何と、はっきりと書いてある文献を知りませんが、メーカー製のものをよく眺めていると、それぞれのノウハウがあるのだろうなぁと感じます。極端に考えると、見えて来る部分があります。

小さな箱には大きな穴は開けられない。大きな箱に小さな穴は見ために変。極端に大きな箱に、極端に小さな穴を考えたら、単にすき間になってしまう。一つ言えることは、要するに、箱の大きさに見合ったバランスの穴が開いている、という簡単なこと。つまり、ポート面積の調整範囲を広くしたければ箱の容量を大きくしておくことです。

前に述べた40センチウーファ1発、180リットル箱でポート面積20パーセントの場合でも、箱容量を2倍にすれば、ポート面積を30パーセントに増やしても、前記に比べずっと低い共鳴周波数になります。箱の小ささは、様々な制限を伴ってきます。大きな箱を作っておけば、吸音材を詰めたり、最悪1サイズ大きなユニットに変えたりと調整する余地が残されますが、もともと小さくては ほとんど手だてがありません。スピーカを制作する場合、箱については大は小を兼ねます。 下記の図は、500リットルの容量の箱に15インチのウーファーを2発入れた時の、ポート内径10センチ×4個(約20%)と12.5センチ×4個(約30%)の時、それぞれの場合のポート長と共鳴周波数の関係をグラフにしたものです。これくらいの容量になると、30%程度に設定しても市販スピーカと比べて、十分低い共鳴周波数に設定できることがわかります。

箱の容量が同じで、ポート面積の大きい場合と小さい場合でも、ポート長でそれぞれ同じ共鳴周波数に合わせることはできますが、それで同じ結果になるはずがないのは、風呂桶の水が抜けていく様子を観察していても想像できます。そのユニットにとって、まったく動いていないに等しい程小さな音量で聞く場合は関係ないのでしょうが、大抵の場合、現在のユニットでは 問題になる音量です。水道の蛇口なども太い細いでそれぞれの水量の最適値が異なる様に、音量の大小で最低値が出てくるのも当然の様な気がします。

バイク、車のマフラーなども4サイクルは集合、2サイクルはチャンバーなどで、性能を大きく左右します。スピーカではその系統のものはBOSE901シリーズが似た理屈が潜んでいそうです。オーディオフェアで、ポートの前に紙を垂らしておくと低音が入ってきたとき、まるでバイクの排気管の前に置いたかの様に、紙が吹き上がるのを見たことがあります。普通のバスレフポートでそんなにみごとに紙が吹き上がるのを経験できません。空気が噴き出している?だったら出た分の空気はいったいどこから入るのか?不思議でそのときメーカーの人に聞いて見たのですが、「そう言われれば、不思議だ。」というのが返答でした。




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