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原体験1999.5.5




大学時代、一風変わった連れがいた。
素朴な感じでなんとなくボーッとしたイメージで、車にも無頓着。
ただ1つオーディオに凝っていて、1950年代の曲をリークという1950年代のイギリス製の真空管アンプと1950年代のスピーカで聞くのが、趣味という奴。


ある日、そのリークを高蔵寺まで持参し鳴らしてくれた。自作のICアンプ(そのころ唯一小型プリメインアンプをつくったことがある)と聞き比べると、なるほど、まろやかな良い音。しかし、中古のアンプだけで40万円!40万円出すにはそれなりの理由があると思い、聞いてみるが納得できる理由はない。(今聞いても割とマイナーなアンプである。なぜリークなのか?今だに謎である。)

それではと、そのころ乗っていたバイク、SR400SP(4サイクル単気筒400cc、いわゆるビックシングルと呼ばれるバイクであるが、マフラーを換えてあったのでとても良い音。)のサウンドをデッキで録音し聞いてみた。ガッカリはしなかったが、やはりこんなものかと思った。質感、速度感がまるで違う。バタバタッという重低音はもっと軽く、はぎれ良く、ふっと、吹き上がらないといけないし、カタカタッというメカニカルノイズはもっと重みのある高音だ。第一、音を聞いた時に感動がない。

とはいえそんな頃、他の立派なオーディオ装置からそんな感動する様な音を聞いたことはなく、好きな曲ならば、モノラルの小さなラジカセでも楽しめた。好みの曲でないと聞いていられないが…。真空管アンプ独特のまろやかな音の世界は、たしかに良いものがあり時には聞きたいが、自分で手に入れようという気持ちまでにはなれない。しかし、彼にとってはそこに感動できる音がありスイッチを入れればすぐに、好きな音の世界に入っていけるわけで、、とてもうらやましい。


でもやっぱり不思議な奴であった。そんな高価なステレオ装置を持っているにもかかわらず、ほとんど素人の私に”スピーカに空いている穴(バスレフポート)は何?”とか平気で聞けるなんて…。また、そんな頃に、聞かれて答えられた自分も、今考えると不思議だ。




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