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暑い夏。
夕暮れの河川敷き。
その日は夕刻から風が出て、気持ちの良い花火鑑賞になった。豊田のそれは、知人が、まさにかぶりつきの場所を、毎年確保してくれている。 花火のかけらが、降ってくる位置だ。ここなら、よりはっきりと、“音” の違いが楽しめる。ちなみに、岡崎の花火大会では、いつも、 矢作川沿いの堤防に陣取ることにしている。岡崎の花火は岡崎城の近くと、 矢作川沿いの二個所で同時に行われる。岡崎城の近くはスターマインが主で 玉数が豊富だ。矢作川沿いの方は、それに比べ玉数は少ないが、 8号とか10号の大玉がメインなので“音”が良い。
炸裂音では、身の回りの空気が震えるのを体感できる。 足の早い低音が風圧として突き抜けて行くのを感じられ、実に爽快。 これを聞きなれると、6号玉ではもう物足りない。発射音ですでに違いがある。 「ズ!シュッ」という音に、超低音が含まれているので、「次のはでかいぞ。」 と期待させてくれる。
ところで、花火を見ていて、 右目にゴミが入った。切れたように痛い。 30分位、全く目が開けられなかった。仕方なく、目を閉じたまま、じっと 純粋に、音の鑑賞をした。クライマックスのナイアガラでは「やはり、 ナイアガラは近くで見るに限る。」!?などと、悦に入っていたが、やっぱり、目が痛い。 まぁ一晩寝れば治るさと思っていたのだが・・・
翌朝、目を洗うと激痛が!!!どうやって 見てみても、傷が見えない。。? やはり、仕方なく、目医者へ行き、状況を説明。診察してもらうと、
「これは!君。角膜の火傷だ。珍しい。。」なんだか、うれしそう。
「ずいぶん前にそういう症例があったなぁ。。。」 先生の目が遠くを見て泳いでる。
「そうだ!君、寝て見てなかったかい?」この時は、座ってた。
「そうかい。めずらしいなぁ。」って。
結局、目医者通いの日々。「ちょっと、不純な花火鑑賞だったから、 バチでもあたったのかなぁ。」と反省したのは、つかの間。 新聞の記事で、「山の近くで、打ち上げる花火は“音”が違う。」 というのを見つけた。木霊して、体に戻ってくるそうだ。ぜひ、一度体感したい!懲りない奴である。