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バイクのタイプには、大きく分けると、 オンロードタイプとオフロードの二種に分類されます。さらに そのうち、オンロードタイプは、アメリカン、ヨーロピアンとに分けられます。 今では、はっきりアメリカン(足を投げ出す様な仰け反った姿勢)と、 ヨーロピアン(前傾姿勢)のスタイルになっていますが、 1980年当時は、俗にジャパニーズスタイル(殿様スタイル)と呼ばれる 姿勢よく座る中途半端な形、でした。。 いわゆる、「族」使用は、集合マフラー(4気筒でも2気筒でも 最終的に一本のマフラーにまとめられた物)、直管(消音機を取り外す)、 絞りハンドルの殿様スタイルですが、 当時の走り屋は、集合マフラー、コンチネンタルかセパハン、バックステップの 前傾スタイル。 アメリカンは、、説明の必要はもう無いですね。。
ホンダのCB350Fのスタイルは典型的な殿様スタイルです。 ハンドルを換えるのも違法、当然マフラーも、、の時代に本格的な アメリカンやヨーロピアンスタイルのバイクに乗るのは相当な覚悟か、 イッチャッテないと出来ない時代でした。
初期型のSR400はスポークホイールでしたが、 第二世代に出たヤマハのSR400SPはキャストホイール仕様のモデルです。 掃除がしやすくて個人的には、好きだったのですが、圧倒的にスポークホイールの方が 人気があり、その後すぐにスポーク仕様に変更されました。 そのSR400SPに乗り換えた当時のぼくは、どうやら完全にイッチャテた様で、、 いや、ずっと前からイッチャッテた気もしますが、、 好みのスタイルの形にする事に没頭しました。 普通何か憧れのバイクのスタイルに似せたがりますが、ぼくの場合は 完全に自分の好みのデザインと操作性を重視したオリジナル仕様でしたが、 結果としては、ヨーロピアン系のスタイルになっていきました。
ハンドルは一文字の変形の物、そのままではブレーキレバーが 上を向いてしまうので、そのストッパーを切り、レバーの角度の調整。 アルミ削り出しのバックステップにし、 モトコ製のシングルシートを取り付け、これらでポジションを整え、 見た目の変更に、テールランプを定番のルーカステールに交換、ナンバープレート位置を変更、 メーターパネルの取り付けパネルを3mm厚のアルミで削り出し取り付け、 それに伴い、ヘッドランプの取り付け位置も変更。 マフラーは、スーパートラップの「ホワイトブロス」へ。マフラーの変更と同時に、 キャプレターを大口径の物に交換、メインジェットの交換、調整。。上がったパワー分 スプロケットをいくつか用意して試走の上、程よい歯数に交換して、ハイギアード化。 ここまでやったところでずいぶんとお気に入りのバイクになってきました。。
ボディの色が、一般には当時人気の無かった方のエンジ色だったのですが、 その後のモデルチェンジで無くなった色ということもあって、 滅多に見られないその色が、アルミ部品やメッキ部品に映えて一段と美しかった。。
ツーリング先で止まっていると、 「これは、イタリア製のバイク?」と聞かれた事が、何度もあります。
「いや、、ほんと!」
「。。。」
「ほんとだってばぁ〜。」
シングルシートのMOTOKOのロゴが、MOTOGUTTIを連想させるせいもあるのでしょうが。 そう言われれば、全体的なデザインが、そんな感じを漂わせていました。 ベストショットの あの写真がなかなか見つからなくて残念です。ホワイトブロスのマフラーの豪快なサウンドは、ハーレーのマフラーを交換した 仕様の音に十分太刀打ちできる程のものですので、 暴走族に絡まれることは何度も、、、 おまわりさんに止められたことも数度あります。その頃の おまわりさんの常識では、大きな音のするマフラーは、 集合マフラーのようで、、 そのおかげで、全て助かりました。(もう時効でしょ!笑) 音が原因で止められた場合、 「これは、集合マフラーだろう!」と必ず言われましたが、 そう聞かれれば、400ccクラスの単気筒のバイク自体そもそも少なかったので、 「このバイクは、単気筒で、一つしかシリンダーがないですから、 元々、最初から一本のマフラーです。。集合マフラーは2気筒とか4気筒の バイクじゃないと付けられませんが。。」 と説明します。すると繁々とバイクを眺め、 「そうか、、行っていいぞ!」
今では、これに近いことは合法的に出来る良い時代です。
ハーレーに乗りたいという夢を持つ友人のT君が、かつて 選んだバイクはヤマハのRZ250R。 これは、2サイクルの水冷エンジン。。 これの350ccのRZ350は400ccクラス最速の ヨーロピアン系のスポーツバイクで、 当時ナナハンキラーと呼ばれた750ccバイクをカモれる性能を誇っていました。 対してハーレーはアメリカンスタイルの代表。。
「若いうちに、教習所か実地で限定解除して 経済的に余裕のある30代以降にBIG BIKE を、、、」 T君も含め、、 普通は、そうなのでしょう。。
20年前でも、 スイッチをひねればエンジンのかかるセルモーター搭載が当たり前の時代に キックペダルを踏み下ろすしかエンジンをかける方法が無いバイク。 それも、圧縮比の低い2サイクルならいざ知らず、、 圧縮比の高い4サイクル400ccの単気筒。。 400cc×4すると1600cc。。 1600ccの車のエンジンから シリンダーを一本引き抜いてエンジンをかける様なもの。 足を滑らせれば、ケッチンをくらい脛に青アザ。。 踏みかたにもコツがいり、吸気、圧縮、点火、排出、の どの位置にシリンダーが来ているか足でキックペダルを踏みながら探り、 圧縮の頂点を過ぎた処で一旦止め、おもむろにキックペダルを戻してから、一気に踏み抜く! 言葉で説明すれば、これだけの事なのですが、、アクセルの開け具合にもコツと個体差があり、 オーナー以外は、滅多にエンジンがかけられない。。 ひねたバイクです。そんなバイクを選ぶぼくも、、 やっぱりヒネテルのか、憧れは、いまだに自分の作ったSR。。 バイクに乗るのなら、次もSR、その次も。。。 このSRは奇跡的に、20年経過した今でも、同じバイクが製造され続けています。 名前だけ残って、エンジンや外観が変わっているその他のバイクとは違いそのまま。。
限定解除の必要な、T君憧れのハーレーと違い、 何時でも乗れるし。。いじって、置いておくだけでもいいのですが。。 経済的な理由、使用頻度と保管場所の問題。。そして情熱。。
車、オーディオ、マック、etc.への情熱も高い今は、バイクを 維持するための金銭面、、それを乗り越えられるだけの情熱が足りないのでしょう。 ほんの半年ほど前にも、安価でSRを手中にするチャンスに目を瞑りました。 T君のハーレーへの憧れも、最終的には「情熱の大きさ」 だけの問題でしょう。 彼には、なんとかガンバッテもらいたいものです。