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2220Aとか2220Bとか言っているが、知っている人は知っているのだが、知らない人のために簡単に 説明すると。。
JBLの130系というのは、15インチ(直径38センチ)のユニットで、最初にできたのが、D130。 アルミのセンターキャップを持ち、名目上、フルレンジユニットとなっているが、 広帯域ウーファーといったほうが正確な表現だ。これは、高能率型と言われるユニットで能率103dB。 これのセンターキャップをペーパー製に変えて、ウーファーとしたものが130Aで能率101dB。 このプロ用が2220Aで能率101dBとスペック上は同じ。ということで、後部ケースの形状と スピーカーターミナルのサイズを除けば、130Aと2220Aはほぼ同じものだ。現在では、 130という型番は楽器用に名を残すのみとなって、第一線から姿を消して久しい。 JBLではこの末尾にAとかBとかついている場合、Aが8オーム、Bが16オームという意味 (Cで32オームというデータを見たこともあるが、ほとんど現物は存在しないのでは?)だが、 最初期のものでは、Aが16オーム、Bが32オームというものもある様なので、注意が必要だ。 つまり2220Aが8オーム、2220Bは、16オームであるということ。後期には、磁石がアルニコから フェライトに変わったと同時に、8オームをHに、16オームをJに変更されている。
ということで、ぼくの必要とするユニットは2220Aがもう1ペア。あるいは4個一度に揃うとすれば 2220Bが2ペアということになる。8オームと16オームの違いは配線の問題だけだと信じているが、 ダブルウーファでやる限りは、アンプも睨むと、パラって8オームになる16オーム番のBの方が より良いのだが、それとは関係無く、ちょっとした心情的理由も実は潜んでいる。 (察しの良い人はとっくに気付いている。)
物との出会いとは不思議なものだ。願っても願ってもなかなか出会えないのに、 忘れた頃に、予期せぬ物と巡り合う。。。
ある店に、2220Bが4個あるというので、見に行くと、またまた、 意に沿わない張り替えがしてあり、「やはり2220Aをじっくり探すか。」と思い、帰ろうとすると、 「130Bなら、4つありますけど。。」と店員さんが言う。「130B?」滅多に聞けない型番である。。。 「!」そう言えば、初期に少し作られたことがあると聞いたことがある。「それはもしかして再初期のもの?」 と聞くと、「そう、フィクストエッジの。」と言う。「再初期なら32オームだったりして。」とぼく。 「いや、確か16オームだったはずですが。。ちょっと見てみます。」と店員さん。「やっぱり、16オームですよ!」見ると、年月分それなりに色褪せてはいるが、 弄られた様子の無いコーン紙の物だった。コーン紙がそのままエッジになっているフィクストエッジ。 「このエッジには、何も塗られた様子もないね。枯れちゃったのかな?」とぼくが言うと、 「古いJBLをよく知っている先輩にぼくも聞いた話なんですが、フィクストエッジには、 本来、何も塗って無いらしいです。」と言う。「!」ぼくもそう思っている。 とりあえず、全部見せてもらうことにして、ずらりと4発並べて見る。見る限り、4発ともよく揃っている。 聞くと、1週間程前に入ってきたときには、巨大なダブルウーファーのバックロードホーン型の 箱に入っていたそうだ。「四つとも私が外しましたから、間違いなく、同じ出所のものです。 ネジは四本しか止めてなかったです。」製造番号を見ると、4本とも10番以内に入っていて、 内2本は連番だった。JBLのもので連番はめずらしい。
2度とあの失敗はできない。「申し分けないけど。音を出してくれない?2発づつパラって。」 と念のため能率のチェック。音の出方に問題は無い。もう迷う必要はない。。が、 一つ気になる点があるとすれば、製造した絶対数が少ない製品であることなのだ。 しかし、事故さえなければ、ぼくの生きている間くらいは壊れる心配は無い物だと 2220Aを使って信用している。。。「やれやれ、何でこいつらと出会ってしまったのか。。 そして、こんな古い物がぼくにとって、本当にベストな物なのだろうか。。。 しかし、ここで出会ったのも何かの縁かも。」と、 空を見上げたい気分であったが、そこから空は見えなかった。