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130B×4 1999.12.18



2220Aとか2220Bとか言っているが、知っている人は知っているのだが、知らない人のために簡単に 説明すると。。

JBLの130系というのは、15インチ(直径38センチ)のユニットで、最初にできたのが、D130。 アルミのセンターキャップを持ち、名目上、フルレンジユニットとなっているが、 広帯域ウーファーといったほうが正確な表現だ。これは、高能率型と言われるユニットで能率103dB。 これのセンターキャップをペーパー製に変えて、ウーファーとしたものが130Aで能率101dB。 このプロ用が2220Aで能率101dBとスペック上は同じ。ということで、後部ケースの形状と スピーカーターミナルのサイズを除けば、130Aと2220Aはほぼ同じものだ。現在では、 130という型番は楽器用に名を残すのみとなって、第一線から姿を消して久しい。 JBLではこの末尾にAとかBとかついている場合、Aが8オーム、Bが16オームという意味 (Cで32オームというデータを見たこともあるが、ほとんど現物は存在しないのでは?)だが、 最初期のものでは、Aが16オーム、Bが32オームというものもある様なので、注意が必要だ。 つまり2220Aが8オーム、2220Bは、16オームであるということ。後期には、磁石がアルニコから フェライトに変わったと同時に、8オームをHに、16オームをJに変更されている。

ということで、ぼくの必要とするユニットは2220Aがもう1ペア。あるいは4個一度に揃うとすれば 2220Bが2ペアということになる。8オームと16オームの違いは配線の問題だけだと信じているが、 ダブルウーファでやる限りは、アンプも睨むと、パラって8オームになる16オーム番のBの方が より良いのだが、それとは関係無く、ちょっとした心情的理由も実は潜んでいる。 (察しの良い人はとっくに気付いている。)

物との出会いとは不思議なものだ。願っても願ってもなかなか出会えないのに、 忘れた頃に、予期せぬ物と巡り合う。。。
ある店に、2220Bが4個あるというので、見に行くと、またまた、 意に沿わない張り替えがしてあり、「やはり2220Aをじっくり探すか。」と思い、帰ろうとすると、 「130Bなら、4つありますけど。。」と店員さんが言う。「130B?」滅多に聞けない型番である。。。 「!」そう言えば、初期に少し作られたことがあると聞いたことがある。「それはもしかして再初期のもの?」 と聞くと、「そう、フィクストエッジの。」と言う。「再初期なら32オームだったりして。」とぼく。 「いや、確か16オームだったはずですが。。ちょっと見てみます。」と店員さん。

「やっぱり、16オームですよ!」見ると、年月分それなりに色褪せてはいるが、 弄られた様子の無いコーン紙の物だった。コーン紙がそのままエッジになっているフィクストエッジ。 「このエッジには、何も塗られた様子もないね。枯れちゃったのかな?」とぼくが言うと、 「古いJBLをよく知っている先輩にぼくも聞いた話なんですが、フィクストエッジには、 本来、何も塗って無いらしいです。」と言う。「!」ぼくもそう思っている。 とりあえず、全部見せてもらうことにして、ずらりと4発並べて見る。見る限り、4発ともよく揃っている。 聞くと、1週間程前に入ってきたときには、巨大なダブルウーファーのバックロードホーン型の 箱に入っていたそうだ。「四つとも私が外しましたから、間違いなく、同じ出所のものです。 ネジは四本しか止めてなかったです。」製造番号を見ると、4本とも10番以内に入っていて、 内2本は連番だった。JBLのもので連番はめずらしい。

2度とあの失敗はできない。「申し分けないけど。音を出してくれない?2発づつパラって。」 と念のため能率のチェック。音の出方に問題は無い。もう迷う必要はない。。が、 一つ気になる点があるとすれば、製造した絶対数が少ない製品であることなのだ。 しかし、事故さえなければ、ぼくの生きている間くらいは壊れる心配は無い物だと 2220Aを使って信用している。。。「やれやれ、何でこいつらと出会ってしまったのか。。 そして、こんな古い物がぼくにとって、本当にベストな物なのだろうか。。。 しかし、ここで出会ったのも何かの縁かも。」と、 空を見上げたい気分であったが、そこから空は見えなかった。




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