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音の感触 2000.1.27



「JBLはジャズ向きだ。」とか、「ジャズにはJBLだ。」とか(どちらも同じ意味だけど)言われるが、 これは使ってない人の話し?で、現在のJBLのスピーカーを冷静に聴いて、 本当にジャズ向きと言い切れるのかどうか。。今ではもう生産されていない130系のウーファーを 普通のサイズの箱に入れ、 LE175などの1インチドライバーを繋げた2ウェイならば、確かに固い強めな音になりやすいが、 うまい具合の箱に入れたら。。ところが、そういう市販品は存在しないわけで、自分で作らない限り、 まず聴く機会は無いのではないだろうか。

ぼくの場合は、ジャズ向きかとか、クラッシック向きかとかを考えるどころか、 オーディオに凝るつもりなども全く無いまま、 JBLのドライバーユニットに手を出してしまった。というのは、 初めて聞いたそのドライバーユニットの音が、ぼくには、それほど まさに画期的!な音だったわけなのだが。。(あくまで、ぼくには。。の話ですが。)
あの時、鳴っていたピアノの音とバイオリンの音、 その感触だけでJBLドライバーユニットが欲しくなり、後先考えずに手に入れてしまった。 今、よく考えればちょっと変なオーディオの初め方をしてしまったので、このドライバーに向く 低音ユニットは、、、と言う様なことを真剣に考えたのは、LE175ドライバーを手に入れた後のことだった。

そういうわけで、たまたま最初に聴いて感動したドライバーの音がJBLであったということが、 最初からJBLに手を出してしまった理由だったのだ。(自分らしくも無い。あまりに、単純で、呆れる。。) その結果が、成り行きで2インチドライバーに手を出すことになり、さらに、ツイーターをプラスして 3ウェイシステムにまで、成るべくしてなってしまった。 最初に聞いたのが、もしもTADであり、その音に感動出来たのなら、TADを手に入れ、 2ウェイで済んだかも。。と時々思う。(やはり、あくまで、その時感動出来たのなら。。の話ですが。)
事実、その後聴いたTADにしても、アルティックにしても、さらにガウスにしても、 基盤になる音の感触については、JBLと共通するものを持っていると感じる。 JBLユニットと共に色々とやってきた今となっては、他のそれぞれのユニットでも、 たとえフルレンジ一発でも、なんとかすれば、 なんとか出来そうな気がしている。

今のシステムを人に聞いてもらった時の感想で、「柔らかい音」「優しい音」という表現をする人は JBLを知っている人に多く、柔らかいと言っても、実はその手の音のCDをたまたまかけなかった だけで、ブルーノート系の物を中心にかけたりしたら、「やはり、JBLは・・・」と 言われることになったりして・・・人の先入観とは、まことに恐ろしいものだ。 使ってる本人は、先の理由で、元々先入観無しで使っていたわけで、 JBLを知らない人に「細かい音がどこまでも聞こえる様な気がする」、 「楽器の音が・・・」などと、表現してもらえた時などは、くすぐったいような気分で とても嬉しい。

クラッシック向きと言われるタンノイオートグラフの音を初めて聴いたのは、つい半年程前のこと。 それが展示してあると知らずに販売店に入ったのだが、どこからか、そっと流れてくるオーケストラの音を 聴いた時、「なんとなく自分のスピーカーの音に似ている?」気がした。その音に惹かれて近寄ってみると、 タンノイオートグラフがその音を出していた!ぼくが、近づいたことに気づいた店の人が 音量を上げてくれたのだが。この感触、聴けば聴くほどよく似ている。巨大ではあるが、 日本的な意匠にも通じるその美しい姿から、ジャズ向きと言われるJBLから出している自分の音と 共通する音を聴いて、ある種の感慨が湧いた。

「ペア100万円」!の値札を見ても、 この素晴しい箱に入った完成品であれば、あるいは、これに惚れたのなら、 一生物なわけだし、「まぁ、一生使い続けると考えれば、車を買うよりも、それはそれで御得かも。」 などと・・・考えるだけなら、タダである。その音をもう一度聞きたくて、次の休みの日に行ってみたら、 既に売れてしまい店に無かった!驚いた。。
最初に聞いたのが、タンノイであったなら。。。とまたまた思う。
そんなことを思っても実際に他の物に手を出して苦労出来るほど、人生は長くはない。
出来れば違ったユニットを愛でる人が近くにいて、それを時々聴かせていただきたい。
“最高な物は、一つじゃぁない。”ですからネッ。




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