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「JBLはジャズ向きだ。」とか、「ジャズにはJBLだ。」とか(どちらも同じ意味だけど)言われるが、 これは使ってない人の話し?で、現在のJBLのスピーカーを冷静に聴いて、 本当にジャズ向きと言い切れるのかどうか。。今ではもう生産されていない130系のウーファーを 普通のサイズの箱に入れ、 LE175などの1インチドライバーを繋げた2ウェイならば、確かに固い強めな音になりやすいが、 うまい具合の箱に入れたら。。ところが、そういう市販品は存在しないわけで、自分で作らない限り、 まず聴く機会は無いのではないだろうか。
ぼくの場合は、ジャズ向きかとか、クラッシック向きかとかを考えるどころか、 オーディオに凝るつもりなども全く無いまま、 JBLのドライバーユニットに手を出してしまった。というのは、 初めて聞いたそのドライバーユニットの音が、ぼくには、それほど まさに画期的!な音だったわけなのだが。。(あくまで、ぼくには。。の話ですが。)
あの時、鳴っていたピアノの音とバイオリンの音、 その感触だけでJBLドライバーユニットが欲しくなり、後先考えずに手に入れてしまった。 今、よく考えればちょっと変なオーディオの初め方をしてしまったので、このドライバーに向く 低音ユニットは、、、と言う様なことを真剣に考えたのは、LE175ドライバーを手に入れた後のことだった。そういうわけで、たまたま最初に聴いて感動したドライバーの音がJBLであったということが、 最初からJBLに手を出してしまった理由だったのだ。(自分らしくも無い。あまりに、単純で、呆れる。。) その結果が、成り行きで2インチドライバーに手を出すことになり、さらに、ツイーターをプラスして 3ウェイシステムにまで、成るべくしてなってしまった。 最初に聞いたのが、もしもTADであり、その音に感動出来たのなら、TADを手に入れ、 2ウェイで済んだかも。。と時々思う。(やはり、あくまで、その時感動出来たのなら。。の話ですが。)
事実、その後聴いたTADにしても、アルティックにしても、さらにガウスにしても、 基盤になる音の感触については、JBLと共通するものを持っていると感じる。 JBLユニットと共に色々とやってきた今となっては、他のそれぞれのユニットでも、 たとえフルレンジ一発でも、なんとかすれば、 なんとか出来そうな気がしている。今のシステムを人に聞いてもらった時の感想で、「柔らかい音」「優しい音」という表現をする人は JBLを知っている人に多く、柔らかいと言っても、実はその手の音のCDをたまたまかけなかった だけで、ブルーノート系の物を中心にかけたりしたら、「やはり、JBLは・・・」と 言われることになったりして・・・人の先入観とは、まことに恐ろしいものだ。 使ってる本人は、先の理由で、元々先入観無しで使っていたわけで、 JBLを知らない人に「細かい音がどこまでも聞こえる様な気がする」、 「楽器の音が・・・」などと、表現してもらえた時などは、くすぐったいような気分で とても嬉しい。
クラッシック向きと言われるタンノイオートグラフの音を初めて聴いたのは、つい半年程前のこと。 それが展示してあると知らずに販売店に入ったのだが、どこからか、そっと流れてくるオーケストラの音を 聴いた時、「なんとなく自分のスピーカーの音に似ている?」気がした。その音に惹かれて近寄ってみると、 タンノイオートグラフがその音を出していた!ぼくが、近づいたことに気づいた店の人が 音量を上げてくれたのだが。この感触、聴けば聴くほどよく似ている。巨大ではあるが、 日本的な意匠にも通じるその美しい姿から、ジャズ向きと言われるJBLから出している自分の音と 共通する音を聴いて、ある種の感慨が湧いた。
「ペア100万円」!の値札を見ても、 この素晴しい箱に入った完成品であれば、あるいは、これに惚れたのなら、 一生物なわけだし、「まぁ、一生使い続けると考えれば、車を買うよりも、それはそれで御得かも。」 などと・・・考えるだけなら、タダである。その音をもう一度聞きたくて、次の休みの日に行ってみたら、 既に売れてしまい店に無かった!驚いた。。
最初に聞いたのが、タンノイであったなら。。。とまたまた思う。
そんなことを思っても実際に他の物に手を出して苦労出来るほど、人生は長くはない。
出来れば違ったユニットを愛でる人が近くにいて、それを時々聴かせていただきたい。
“最高な物は、一つじゃぁない。”ですからネッ。