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位相の問題は、とても複雑で、難解です。
といっても、わかりやすい位相の“ずれ”もありますが。。あるオーディオ店で、左右のスピーカーのそれぞれの+−を逆に、 瞬時に切り替える実験をしている時に、居合わせた事があります。 ピンクノイズを再生しておき、右のスピーカーの+−は正しい接続、左は、アンプからの接続を スピーカーのところで、+−の正しい接続から−+の間違った接続へという具合。横の位相です。
正しい接続では左右のスピーカーの真ん中に音が出ていますが、間違った接続では、 音が散ってどこから聞こえてるのか分かり難い。 ところが驚いた事に 、そこに居合わせた人達には、誰にもその変化が分からない様子。。
ユニット別々にアンプを繋ぐマルチアンプでは、 3ウェイスピーカーなどの高音、中音、低音の縦の位相は、+−を揃える事が 正解にはなるとは限らないというさらに難しい問題があります。 この場合には(この場合じゃ無くても)左右の位相を揃えておくのは大前提となります。 左右の位相に比べ、縦方向の位相は、正にニュアンスの世界、、 ユニットの位置を前後に数ミリずらしただけで、微妙な音の変化があります。
音の善し悪しは、この位相の問題が結構な比率を締めている様に思ってました。 というのは、ぼくの耳を捕えたJBLのスピーカーユニットと その他のユニットの最大の機構的な違いは、実はこの+−だったからです。 普通、+は赤、−は黒で信号が入ると、 振動板は前に出ますが、JBLはこの逆、+は黒で、−は赤になっています。 つまり、信号が入ると、振動板が引っ込むのです。 「そこに、何か秘密があるのでは?」などと勘ぐってしまいます。 だったら、JBLを使う場合、 アンプの赤をJBLスピーカーの黒に繋げば、いいのでは。。
「なんだ簡単!」
で聞いてみると、「。。。」
これが、そう簡単でもないのです。困ったもんだ。。さらに、3ウェイマルチアンプでは、 高音、中音、低音を同じJBLユニットを使っていても、 ただ、+−を揃えるだけでは、具合がいいとは限らないと いうことがおこります。一体何が正解なのか。。。 こういうことを7〜8年も延々と続けていると、自然と耳が鍛えられてしまいます。 オーディオ再生の基本的な配線ミスなどは、直ぐ分かる様になりました。 ある販売店で、CDからアンプ、あるいはアンプからスピーカーへの 左右の配線を間違えて鳴らしてるなんてのもありましたし、 オーディオフェアーで、7チャンネルDSP再生中、 7つ鳴っているはずのスピーカーのうち、一本が鳴ってない。。 なんてのもありました。