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蒲フィル定期公演 2000.6.6



パンフレットに、 “午後1時半開場、午後2時半開演”となっていたので、 その日は、開場の15分後の1時45分過ぎに会場に入った。 開場から開演までの時間が1時間と、ちょっと長いのは、「なぜ?」と密かに思っていたのだが、 入るとその近く、ホールのエンタランスでバイオリンとチェロとコントラバスの小編成で、 開演前に演奏をしていた。それを見て、その小さな疑問は解決した。

そこは、ホールの入り口から一段落ちて低くなった場所で、狭いながらも、、 と言っても場所が場所だけに十分広いのだが、、外に面した湾曲したガラスのこちら側は 建物の持つ高さまで吹き抜けているので、エアーボリュームはたっぷりとある。 周りを取り囲む物すべてがほぼ固い反射性の物なので、その響はまるで教会の様。。 この響きが実に豊かなサウンドを作っている。

コントラバスはたった1台なのだが、この響きの中で、何ともしっかりと低音が聞こえてくるのには、驚いた。 この場所でスピーカーを鳴らしたら、さぞかし。。いや、、どうなるのか。。 もう、この演奏を聴けただけでもこの演奏会に来た価値があると満足する演出であった。 「開演ぎりぎりに来なくてよかった。」とほっと胸を撫で下ろす。 その曲は「アイネクライネ、ナハトムジーク」。

今回の定期公演の演奏曲目は、なかなかシブイ選曲だ。 このオーケストラは、市民オーケストラとはいえ、よく練習している様で、、うまい。 (注;第2話に出てきたなんとか市民オーケストラとは違うオーケストラですので、、念のため。。) いまだに、クラッシックコンサートを聴くのは初心者だと思っているので、 どの席に座れば一番よい感じで音が聞えるのか、いまだに決めかねている。というわけで、 いつもいろいろな位置に座るのだが、この日は、コンサートホールのほぼ中央に陣取ってみた。 普通はまず真ん中に座ってみるのだろうと思う。が、しかし、 ぼくはどうやら変な位置から攻めたがるタイプの様で、、今までに、あらゆる位置に座ってみたが、 ホールの真ん中に座ったことはなかった。

その印象は、癖のない音が聴けて、これは、まるでいつものオーディオ装置を聴いている様!?に、 バイオリンは左手前に、チェロは右手前に、コントラバスは右手に、 ティンパニーは左奥にという具合にその音の位置(音像定位)がはっきりとしている。 当然か。。ホールの中央前寄りなどは、本来、上等な席なのかも知れないが、 音が頭上を抜けて行くような気がするぼくは、ひねくれ者なのか。。2階席の最前列とか、 一階席の後方の中心からちょっとずれた位置みたいなホール自体の響が乗った音が、案外好きで、 未だに捨て難い。

曲間の休憩時間、一服しに、ホールの外に出ると、先程の場所で、 手回しのストリートオルガンの演奏をやっていた。これはストリートオルガンのなかでも、 10〜20cm程度の長さの木製パイプが主体の小さい部類の物で、 最長のパイプか隠れていたとしても、30cmに満たないものだろう。これは本来、 一般の家庭でも気がね無く鳴らすことのできる適度な音量のはずなのだが、、 これが大音量で、実に堂々と鳴っている!普通の建物の中では、絶対に、こんなに音量では、 鳴らないはず。。今までに、いくつかこの手のパイプオルガンの音を聴いているし、 この木製パイプの音が好きで実際に2本、このパイプを作って持っているぼくが思うのだから、 間違いない!確実に音量自体大きくなっている様子だ。ということは、 「この場所自体が、一種のアンプ?。。いや、、出ている音が大きくなっているのだから、 やはり拡声器 ---> 拡声装置。。しかし、スピーカーとはイメージが違う、 増幅のイメージだから、、純粋な音量増幅装置。。ナチュラルアンプか。」こんなことを考えながら、 聴いているうちに、すぐに次の開演時間になった。




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