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SG520 2000.4.23



入力に凝る人、出力に凝る人、人それぞれですが、 ぼくの場合典型的に後者です。
タンノイオートグラフを49800円のアンプで鳴らすのと、 マッキントッシュのアンプで49800円のスピーカーを鳴らした場合、 どちらが効果的だろうか?と考えると、スピーカーにいってしまいます。。
とりあえず 極端なところから考えるのが性癖みたいですので、これは いたしかた有りません。
本来、バランスを取るのが正論で、それは、まさにその通りですが、、 結局は、どちらも最高であれば、安心なんですが、、ねぇ。
これは、ナカナカ出来ません。

とはいっても、AMPに関しては、
1.連続可動しても平気に感じる(壊れない)様な耐久性のある物。
2.製造終了後10年で補修部品の管理を終了するメーカーがほとんどの世の中で、 メーカーが存続する限り、修理してくれると保証しているメーカーの物。
3.アンプ自体の残留ノイズの少ない物。
4.セレクターの音の切断の完璧な構造の物。
5.作りの質感の良い物
6.なるべくフラットな癖のない、それ自体は存在を主張しない様な音を出す物。
というのが、重要な選択基準で、 AMPが気になる時は、 AMPに不具合がある時だけであって欲しい。。と、とっても理性的に?(^-^;)考えてきました。
裏返して言えば、、 自分で作ったスピーカーは特に、基準のバランスを持っていないわけで。。 それに元々、オーディオ装置の中では、特性を見ると一番不完全なスピーカーは、 どんなスピーカーでも、何らかの癖を持っているので、 スピーカーの癖とAMP癖をぶつけて音を創るとすると、あまりに複雑な事になる。。
ということで。。
ぼくのオーディオは、 スピーカーの手前の入力装置の周波数特性は 上から下まで真っ直ぐで、残留雑音なども少ない、出来るだけ 癖のない状態にして置いて、スピーカーだけで音を創っていこうという「切り口」なのです。 などと、言ってましたが。。

様々な障害を乗り越え、「自分の本当に欲しい逸品を手に入れ、満足してずっと使っていく」 という意外に難しいことを、 さりげにやってしまえる類稀な人は、確かに存在しますが、 大抵の人の場合、その価格やそれに対する価値 、スペースの問題などで、とりあえずの 「仮物」で済ませていることが多いのでは、なかろうか。。

それよりも前に、実は、その「ずっと満足できる、本当に欲しい物」を見極めるのが、難しい。。
本当に欲しいものが何なのか、それが分からない場合の仮物ならば、そんな時は、 下手にジタバタ買い換えるよりは、、それが見つかるまで、その「そこそこ」の仮物で、 じっとしている事も一つの手である。
それに時には、仮物のつもりが、嬉しいことに、 仮物以上の物の場合もあったりすることもなきにしもあらず。それよりなにより、 その辺りの事を「うーむ。。」と思い悩まなくて済む達観した人もまたいるわけで、それはそれで羨ましい。
と、いう様なことは、
これは他でもない、主に、自分に向かって言っているわけですが、、
目的に応じて数台を使い分けられるのコンピューターの様に、オーディオにおいては、何故か出来ない というのは、これいかに。。

白状すると、
これほど、思い悩む性格であっても、失敗も幾度か経験しました。
初めて買ったCDプレイヤー。。
慎重の上に慎重を期して選んだはず、にもかかわらず、 音が冴えない、明らかに最低音が出てこない、そうなると、気に入っていたはずのデザインも 「もー見るのも嫌!」になり、我慢が出来ない。即買い換え! 所有時間が24時間に満たなかった、なんてこともあって、お恥ずかしぃ。。
その時は、まさにジタバタ買い換えることになり、苦い思いをしました。
しかし、そう感じながらも、 「なるほど。。可愛さあまって憎さ百倍ってこのことか。。」などと、これも初体験で、、 ある意味感心してたりして。
人間って不思議だ。。

そのせいもあって、今度は逆にさらに慎重になり、 色々と買いそびれてきました。 思い返せば、大体は “結果OK”であったことのですが、 忘れられないのは、JBLのグラフィックコントローラー。。
いわゆるプリアンプのSG520。
もうずいぶん前の話です。(早いものです)
出張の帰りに秋葉原に立ち寄った時、初めて目の当たりにしました。 これも、1964年の製品ですが、写真では、見ていたのでそのデザインは知っていましたが、 「実物」は想像以上に美しく、見入ってしまいました。しばらくして価格を見ると、
「○○万円」!!
一桁多い。。
30年も前のたかが中古の電化製品に発売当時と変わらない値段を付けるなんて。。 「せめて○万ならなぁ。」 それでも、欲しい気持ちがあり、通帳の残金を思い浮かべながら、 お金をおろそうとしばらく神田の郵便局に向かって、歩いていましたが、 スピーカーユニットと違い、 アンプには、迷いがあります。その金額まで条件を広げれば、漆黒のガラスパネルに緑の文字が “ふっ”と浮かぶ、宝石の様に美しいマッキントッシュのアンプにだって手が届きます。
歩が遅くなる。。
もしSG520を手に入れたら。。3ウェイマルチアンプですので3つのパワーアンプが必要。。 できれば、これらもJBLで揃えたい。。
さらに遅くなる。。
となると、「パワーアンプのSE400Sは○○万位の値段。。×3で○○万。」げっ!。。 「それに、現用のアンプ群をどうするのか。。」
立ち止まりそう。。
とはいえ、時間は 閉店ギリギリ。
急がねば。。
そう思っても、、
一歩踏み出す毎に “迷い” が足を重くします。 陽が落ちて、じょじょに辺りが暗くなっていくのにともなって、気分もだんだん暗くなっていきます。 結局、その重圧に絶えられず、歩みを止めて帰ってきました。 そこで冷や汗を流して買っていたら、どうだったのでしょう? あれからずっと、そう思い続けてきました。

さて、
それ以来ずっと気になっていたこのプリアンプを、なんとなく縁があって、手に入れた今。
その結末は。。
当然のことながら、いいところばかりではなく、年式からくる様々な難点も存在してましたし、 実際に、そこからくる問題があって、数日間は、悶々としていました。
で、結局、今は修理中(^-^;)
ところが、、それでも気分は意外とスッキリしていて、 あの時に手にしなかったのもまんざら失敗とはいえなかったかなどと、 少し余裕を持って、ふっと苦笑いなどを。。 もしあの時に、一目惚れのままその勢いで手にしていたら、 今のぼくの様に、「のほほん」とはしていられなかったかもしれません。 下手をすると、これらの難点が気にかかり、ジタバタやっていたかもしれません。

ということで、重要な選択基準は、
1.「ずっと満足できる、本当に欲しい物」
2.「その確信を持った時に」
ということに、シェイプアップしましたが、、
これって、より一層複雑になったともとれる。。




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