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虚像 2001.9.7



モノラル録音も捨てたものではない。
二つのスピーカーを使ってステレオをやっていても、そう思う。
時に、凝縮された感じの、迫力のある熱い音が聴けたりして、モノラルなのを一瞬忘れるときも。。
こういう場合、ステレオだろうと、モノラルだろうと一向に構わない。。

モノラル録音の物を良く調整されたステレオシステムで聴けば、二つのスピーカーの間の一点から ホログラフィックに音が現われる。普通のスピーカーシステムは、ウーファーが下に付いているからか、 それとも「地を這う様な低音」という言葉があるからかどうか知らないが、 何となく低音は低い位置から聞こえるものだという先入観があるようだが、、 モノラルの場合、低音も高音も全て左右のスピーカーの間の中心、その一点から音が聞こえ 体を包む。フルレンジ一発あるいは、バーチカルツイン、小型2ウェイでやっている人ほど、 そう思える経験をしているはずだ。

このモノラル録音を試しに片チャンネルだけで再生してみて、音の厚みに違いがなく、
「なんだ、スピーカーは一個で構わないか。。」
と思える様であったら「シメタモノ」だ。
あなたの使っているスピーカーは、とても良くできたスピーカーに違いない。
録音が全てモノラルであるのなら、スピーカーは、一つで済ませていたことだろう。

現在、ほとんどの録音は、ステレオである。
ステレオ初期のころの様に、ステレオを右からと左からと別の音が出せるものだから、 左からベースの音を、右からピアノの音が聞こえる様になったと理解していたのは、 アマチュアだけではない。まともにそのように録音されている物もあるから、 プロもそう思っていた様である。うまく録音されたステレオ録音には、右、左、真ん中、 その中間の他に、上下の高さまで感じる物が存在する。高さといってもほんの微々たるものだが。。 このとき、スピーカーの所在とは関係ない空間にも音が現われている。

さらに大袈裟に言わせてもらえば、ステレオには、後ろへ吹き抜ける音が無いと思っている御人は、 まだまだオーディオの本当の凄さを知らない。
(注:うちのステレオシステムから吹き抜ける音が出ているわけではありません^-^:)

Stingの「The Soul Cages」の一曲目Island Of Soulsでは、とある弦の音が、 スピーカーの外にはみ出て、、左45度方向の壁から聞こえてくる。
そのまま前方に真っ直ぐ、近づいていくと、その音は徐々に自分から向かって左方向に スピーカーからはみ出たまま定位していく。
とても不思議だ。。
これは実験的な録音に違いないのだが、どうして片側のスピーカーの外に定位するのか?
ぼくにはその理屈がわからないので気が気でない。
一つ確かそうな事は、これはステレオでなければ、そうならないのだろうということだ。
これなどもは、その可能性は認めるが、不自然で、あまり好みではない。
それよりなにより、ちょっと気味が悪いというのが 本当の理由であったりするのだが、 何故だか時々取り出しては、聴いてしまうのだ。
怖いもの見たさなのだろうか。。




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