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ずっと、、スピーカーが、ぼくに何かを訴えているのを感じていた。
それはしかし、とても微妙にである。。
それが何なのか、もう一つ はっきりと感じ取れずにいた。そんなある日、黒いアンプを抱えて ありさちゃんがやってきた。
20kgもの重量をものともせず、なおかつ 自分自身のメインのアンプにもかかわらず 持参してきてくれたヤマハの業務用アンプをうちシステムの低域に使ってみて、 その音の変化に驚いた。
はっきりと駆動力の違いを感じる!
若干温度感が高いのと、元々厚みを持っていたはずの低域が、さらに厚みを増して膨らむ気もするが、 その立ち上がりの力感は魅力だ。しかし、中高域との繋がりが気になる。。
2440をもってしても、ドライバーから上の音域の“線”が細く感じてしまうのだ。 これは単にチャンデバの音量レベルの問題ではなく、 それらの質感の違いであると長年?の感でそう思った。とすると、、!なるほど。。
ありさちゃんのシステムが時として中高域が強く感じたりしたのは、この低域の力感に バランスさせるためだったのかもしれない。。そしてこの力感は、それまでは4550の出す低域の 並外れた量感のせいかと思っていたのだが、そのせいばかりでなく、 このパワーアンプの力もプラスされたものであったのかもしれない。
となると、、プリアンプの問題。そして、特殊なネットワークバイアンプ。
こういう要因を加味していくと、他のところの4550を聴くと、また違った印象を持つのかもしれない。。
ともあれ、、ぼくが中域のドライバーの下辺りの音質をはっきり気にしだしたのは、この時からだ。「ここんとこいいですよ〜」
奥ゆかしいありさちゃんにしては珍しく、今までになく自信ありげな感じが漂っていた。。
そういえば、うちに来たあの日も、、これも、ありさちゃんにしては珍しく、 うちのスピーカーボックスのダクトの穴から、中の構造をしげしげと覗き込んでいたりもした。。 となると、なんだかとても引っかかる(笑)。
ここのところグライコを入れて調整していたので、何か掴んだのかな?そう思いつつ、
次の週に、早速聴きに行った。さりげなくボーカル物から聴き始めた。
最初は「おや!?やけに纏まりのいい音だな。。」であった。
が、しかし、しばらく聴いているうちに、
「 むむっ!これは!!」
次から次へと聴かせてもらう。
ジャズ、クラッシック、その他、ジャンルに構わず魅力的である。 各ユニット間の帯域バランスが良くなったのは確かだが、 その原因はグライコのせいだけではなさそうである。
そう、、これは、どうやらダブルドライバーが原因に違いない。。
ありさちゃんのところでは、いつの頃からかすでに、実験的に片チャンネルが ダブルドライバーになっていたので、ダブルドライバーの音は聴いてはいたのだが、、
その印象は、“シングルとたいして変わらない。が、あえていうなら少し粗い感じ”であった。
ところが、両チャンネル共にダブルドライバーとなった今日の音は、何か次元が違う。。
音の立ち上がりに、もどかしさのかけらもなく、鋭く、そして厚い。そのせいかドラム、 シンバル、ピアノ、ベース、バイオリン何を聴いてもなまなましい。妙にリアルなのだ。 そして巨大なスピーカーシステムがまるでフルレンジの様に、がっ!と鳴っている。。それにしてもこの音は。。
目指すは、「元気な音!」というありさちゃんと、「イチロー!」(^-^;)という、、ぼく。
その表現は違っていたのだが、 目指す音の方向は同じだったのだろうか? そう感じると背筋に冷たいものが走る。。 やられた( ̄。 ̄;)、、それはまさしく、ホームランを打たれてマウンドに がっくりと片膝を付いたピッチャーの気分。
ぼくにとっては、それほどのインパクトがあった。
よって、このサウンドの受縛から一週間の間立ち直れなかった。
でも、嬉しかった。
ほんの少し気掛かりだった部分、その曖昧だったところは、なるほど。。 そこだったのかもしれない。