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ダブルドライバー/苦悩 2002.6.11



ダブルドライバー。。
久しぶりに、良からぬ考えが浮かび気が気でない。
ぼくのスピーカーは、基本的に、 先々変更の必要がないように慎重の上に慎重を期して作っている。
そう、、設計時には、この先想定される変更等も考え抜いた上で作っているので、そういう意味では、 一種の完成されたスピーカーシステムといってもよい。
だから、この予想もしなかった考えに戸惑っている。

出来るわけがない。

無理を承知でやったとしても、同じ効果があるとは限らない。
まず、市販品で、ダブルドライバーを装着できるホーンは限られている。
これらを見目良く、ぼくのスピーカーに取り付けるのは、全くもって不可能だ。
もしやるとしたら今使っているホーンに適合するスロートアダプターを作るしかない。。
といっても、そういう製作の前例も知らないし、作ること自体もとても困難だ。。
さらに理論上つじつまがあうのか?
それよりなにより、 長くならざるを得ないスロートを付けた状態で、物理的に箱のなかに納められるのか??考え出すと、、 ほとんど不可能に近い。。

いつも、始まりはそうだ。必ず泣きが入る。

それでも 考えるともなく考えているうちに、一つづつ困難な部分を解決する手段が思いつき、 時を置かず、いきなり、、ふらふらと作り始めていた。
そうなると 「最後は、現物合わせでいけばいいか。。」などと、いきなりお気楽(^-^;)>
自作の強みである(^_^;)

ならば、、「追うべし!」

楽しい!一度作り始めると作らずにはいられない。
ぼくはどうもスピーカーを弄れるのが一番楽しいらしい。
自作ホーンの多くは、ホーンとフロートアダプターの接合部の寸法が50×50mmのものが多いのだが、 ぼくの作ったホーンのその部分の寸法は、50×60mmである。
こうしたのは手持ちの材料からの制約で、単なる偶然であったが、、今となると、 これはとても幸運であった。
というのは、ドライバーの50パイをスロート部で50×50に変換してから、ホーン部分に接続するパターンのものでは、 50×50の開口を二つをある角度で自然に融合させようとすると、ホーンとの接合部で 寸法上の不都合が起こるのである。
二つのドライバーの取り付け角度は90度ではもう開きすぎで、ホーン側面が障害物と化してしまう。 また、60度よりも小さいと、二つのドライバーが干渉しない位置にするためには  滅法長いスロートの寸法になってしまう。ということで、二つのドライバーの取り付け角度を 60度が妥当と決めたのだが、、この場合、50パイを50×50になだらかに変換し、 50×50を60度の角度で、組み合わせると、上から見た融合部分の三角形の一辺は、約58mmになる。 ということで、ホーン部の開口は長方形の方が都合が良かったのだあるが。。分かります? さらに、作りかけのアダプターをありさちゃんのところへ持参して相談した末、 自分の設計の盲点に気付き設計を変更、全長も25mm短くなり、これなら、100%箱に収まる。。 と、一気に現実性を帯びてきた。
これはまさに神の思し召しかも。。

ぼくはどうやら、これまで、、今使っているJBLユニットの素養を認め、そのネガ(短所)な部分を 消すことに専念してきた様だ。その結果、耳に付くネガな部分は、その影を潜めていた。 こうなると、スピーカー自体は今がピークで、この状態を越える音を 目指すにはもう、スピーカー以外の部分を突き詰めていくしかないかと思い始めていたのだが、 そう思っても、、どーも心が騒がなかった。
ところが、このスピーカーシステムのパワーアップ計画には滅法心ときめいている。
がしかし、そうした先にまた新たな問題が発生するかもしれない。
現状の音は、過去を顧みても最高に纏まっている。 とはいえ、それでもまだ良くなる可能性があるなら手を加えてみたい。。
しかし一歩間違えれば、、という不安も湧く。 どこかを強化すれば、必ずどこかに不具合が発生するものだ。そのせいで、 一気にバランス を崩すことは様々な場面で多々ある。
今まではそういう心配をせずに一気に突き進んでこれた事を思うと、 現状のスピーカーシステムは、当初考えるともなく考えていた自分にとっての スピーカーシステムの究極に結構近かったのだなぁ、と改めて感慨深い。
一通り完成してから5年。
その先の音を夢見て、今、切り粉にまみれる。。




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