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☆襖の立て方 1999.8.9




行事、来客などで、襖をすべてはずしてしまってから、「さて、どれがどこにはまっていたのだろうか?」とはめ直すのに困ったことはありませんか?部屋の柄がそれぞれ違う場合はそれも参考になりますが、同じ柄だったら?ここでは襖の縁の形についての説明をしながら、その立て方について書いてみます。

襖をはめる場合、四本引き違いのものは、四本のうち真ん中寄りの二本を室内側に、両端の二本を室外側にたてます。また、部屋と部屋との間にたっている四本立の間仕切りである場合は、必ず、格が上の部屋の方に、中の二本を持ってくるのが決まりです。床の間のある座敷であれば、その真ん中に立って、ぐるりと見回したときに四本立ちの襖のすべてが上記の様に立っています。二本で引き違いのものは右前に立て込みます。すなわち、襖に向かって右側の物を手前に、左側の物を奥にたてます。これは、襖に限らず障子サッシも同じです。はじめにこのことを覚えておいて下さい。

次に、襖に使われる竪縁(襖の両脇についている縁)には、召し合わせ、マス、出会いという種類があります。

召し合わせ(定規縁)は四本立の中央二本が出会う部分の向かって右側の襖の縁の一部分が左側の縁にかぶさる様になっているものです。襖の反対側へ回ってみてやはり、右側の一部が左にかぶさっていれば、それを両召しといい高級なやりかたです。これに対し、召し合わせの相手がマス縁の場合もあります。これを片召しと呼びます。この他に両開きのものの合わせる部分の右側にも使われています。前から見ても他の縁と形が違うので皆さんご存じかと思います。

マス縁はドブ縁とも呼ばれ、二枚引き違いの場合、引き手の付いている側、つまり柱につく部分に使われます。四本立の場合、両外端の襖の引き手の付いている側(柱につく部分)に使われています。場合によって召し合わせの相手側にもマスが使われていることもあります。

出会い縁(場所によってこれをマスと呼ぶところもあります。全国的にはどちらが主なのか知りません。ここでは以後「出会い」を使います)は、襖と襖が交差するところに用います。つまり、二本引き違いの場合と四本立の場合では、引き手の付いていない側に使います。

「マス」と「出会い」の形の違いに気付いている人は稀かと思います。襖に向かって見た場合、見付き(幅)が同じなのです。違いは、「出会い」の方が見込み(奥行)がちょっと大きいということなので、横の方からよーく見てみないと、差が分かりません。見込みが大きい理由は、それぞれ相手の襖の方に片側を出っ張らせて、縁と縁の隙間を小さくするように取り付けるためです。

ここまでを正確に理解できれば、裏と表の柄が違う場合と、裏も表も同じ柄の場合でも、両召しの四本立ちに関しては、間違えずに、立てるべき場所にはまります。しかし、裏も表も同じ柄の場合で二本引き違いの間仕切り(部屋と部屋を仕切っている襖)と片召しの四本立ち間仕切りの、格上の部屋からみて、右から数えて3番目と4番目は同じ構造になり違いがありませんので困ります。

しかし、正確にでき上がった襖はその居場所が決まっています。正確につくればつくるほど、同じ襖は出来ません。襖を閉めて柱に付けた場合、ピタリと合うように、合わせてありますので、同じ構造の物をそれぞれ入れ替えて柱に付けてみます。より狂いの少ないほうがその襖のあるべき場所です。 





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