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各地にある五重の塔は、外観は似ていますので ざっと見ていると、 骨格(基本設計)は共通じゃないかと想像してしまうと思いますが、 時代や地域により、実は一つ一つ構造が違っていたりして、とても興味深いものです。
昔の建築は民家の構造においても、やはり、地域や時代で、相当違っています。 民家においては、その地方の産業などの背景もありますが、 現代の様に情報が全国に行き渡らなかった影響からも、地域色が色濃く出たのでしょう。 それぞれの材料の手に入り具合、天候の違いなどもそれぞれの地域の特色を作る要因になっています。
この中部地方は、今でも大抵の家には雨戸が付いていますが、洋風の外観の家などでは、 窓に雨戸の無い家をチラホラ見かける様になりました。和風建築である拙宅でも一箇所だけ出窓が有、 そこには付いてません。というより出窓という構造上付けられないのですが(笑)。 ところが、信州地方などの建物を見ていると和風の家でも、雨戸の無い家の方が多いのです。 これは、台風が来ないからということがその理由であると、その地方の人から、聞いたことがあります。 もちろん台風はまったく来ないわけではなく、たとえ来ても、もう勢力が衰えた状態であるので 必要無いのだそうです。 台風の来る確率が高い中部地方では、有るのは当然な事でしたので、雨戸が無いことを知った時は、 不思議でした。
そのとき「今は、アルミサッシですので問題はありませんが、その昔は戸締りをどうしたのでしょう?」 と聞いた覚えがあります。 すると、「この辺りは、悪い人は全くいないから、戸締りの心配はしなくていいのさ。」とその人は、 笑って答えてくれました。ぼくがまだ、十代の頃にした質問ですので、 これについては、本当のことかどうかは定かではありません。