密閉箱に入れた時のSc,foc,Qocの計算 スピーカーユニットを取り付ける穴以外に穴も隙間もない箱を密閉型エンクロージャーといいます。 密閉型エンクロージャーに入れると、箱の中の空気が密封されるため、空気のバネの力 (Sc:箱の中の空気のスティフネス)により、振動板が動きにくくなります。 これにより、ユニットのもつfo(ユニットの持つ最低共振周波数)の値は、上昇します。 この様に、密閉型エンクロージャーに入れた時に上昇したfo値をfocと呼びます。 また、同様に、Qoもエンクロージャーに入れると上昇し、Qocになります。 Scは次の式で表されます。 Sc=14000a4/Vc ここで、aはユニットの振動板有効半径、 Vcは、総内容積からユニットの一部、補強材を引いたもの=実効内容積(リットル)ですから、 Scを決める大きなポイントは、内容積であることが、わかります。 さらに、この式の意味をまとめると、 Scは内容積に反比例し、ユニットの振動板面積に比例する。 ユニットが同じである場合、内容積を大きくするほど、Scの力は弱くなる。 同じ箱なら、大きなユニットを使うほど、Scの力は強くなる。 と、いうことがわかります。 密閉型エンクロージャーに入れると、fo、Qoも共に高くなるのは、ユニット自体のSo(等価スティフネス)に エンクロージャーの中の空気によるScがプラスされて、バネの力が強くなるからです。 fo =0.16普iSo/mo)に、上記 Scが付加されることにより、 foc=0.16普i(So+Sc)/mo)で表されます。 ここでわかることは、 Scの力が強くなると、focは上昇する。 Scの力が弱くなると、focはfoに近づく。 密閉箱に入れる限り、ユニットの持つfoよりも、focを低くすることはできない。 三つめの密閉箱では、・・・という事実ですが、 当然ですか?ちなみに初めて知った時、私は、ちょっとガッカリしました。 実効内容積Vcに様々な数字を入れてみてください。3600リットル(畳1畳分の押し入れサイズ) なんてのも、試しにどうぞ。 ユニットのデータを入れて計算してみることにします。 「このユニットのfoは、これくらいの大きさの箱に入れると、何Hzに上昇するのだろうか?」という計算です。 ユニットを密閉箱に入れると空気のバネの力により、foが上昇してfocになります。 密閉箱に入れた時の空気のバネの力をキャビネット内の空気のスティフネス:Scといい、 Sc=14000a4÷Vcで計算されます。 そして、foが上昇したfocは foc=0.16普i(So+Sc)/mo)で計算できます。 そして、Qoが上昇したQocは Qoc=Qo×(foc/fo)で計算できます。Qocについての詳細は、次ページ以後で説明します。 振動板の有効半径aの入力 :cm ユニットの最低共振周波数foの入力: 振動系の実効質量moの入力 :g 共振峰の定数Qoの入力: 実効内容積Vcの入力 :リットル (手計算で行う場合、Soの値が必要ですが、Soの計算はmoとfoで計算しますので、 ここでは、自動計算しています。) ボタンを押すと計算結果がでます: 計算結果は次の通りです。 上記パラメーターのユニットのSoはで、 リットルの密閉箱に入れたとするとScはとなり、 focはHzに上昇します。 Qocはに上昇します。
スピーカーユニットを取り付ける穴以外に穴も隙間もない箱を密閉型エンクロージャーといいます。 密閉型エンクロージャーに入れると、箱の中の空気が密封されるため、空気のバネの力 (Sc:箱の中の空気のスティフネス)により、振動板が動きにくくなります。 これにより、ユニットのもつfo(ユニットの持つ最低共振周波数)の値は、上昇します。 この様に、密閉型エンクロージャーに入れた時に上昇したfo値をfocと呼びます。 また、同様に、Qoもエンクロージャーに入れると上昇し、Qocになります。 Scは次の式で表されます。
上記パラメーターのユニットのSoはで、 リットルの密閉箱に入れたとするとScはとなり、 focはHzに上昇します。 Qocはに上昇します。