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バスレフ型エンクロージャー(その他の内容量計算) 2000.11.22


前項の計算式は、以下のものでした。 箱容積V(m)は

V=(355×a)/Kfomo(g)
この時の、Kは内容積係数で下記の計算式で表されます。
K=(Qoc/Qo)−1=(foc/fo)−1


この他に、下記の物も良く見かけます。
V=(355×a)/(fomo)×(1/K)(g) ---1式

また、これは、
V=(355×a)/(fomo)×(fo/fr)(g) ---2式
という式で現わされていることもあります。

このfrは、fr=fo×Kですので、1式と2式は同じ意味です。 (注:紛らわしいですが、この1式のKは前項に出てきたKとは、別の物です。 前項のKはαという表記になってる場合もあります。) この式を用いた設計をよくみてみると、「fr(=foc)をユニットのfoの何倍にしようかなぁ。。」 という具合に、考えている様です。
例えば、fo=30Hzのユニットを箱に入れた時に、focが42Hz位になるような箱の容積を、 求めておきます。そして、 ダクトの共振周波数を (foc=fr)の0.7(42Hz×0.7=29.4Hz)辺りに 設定すれば、 ユニットの持つfo近くまで、再生帯域が期待できる、という具合です。 ダクトのチューニング周波数に関しては、0.7に限った事ではありませんが、その前後 である事が多い様です。
1式の場合は、42Hz/30Hz=1.4であるので、 Kに、この1.4を入れて計算し、 2式の場合は、ユニットのfo=30Hz、fr(=foc)=42Hz という数値を入れて計算しています。

さて、考え方も簡潔で分かりやすいこの式で、そのまま計算をしてみると、 それなりに箱容量がでてきますが、focの値は前項の値と比べると、大きく低い方にずれています。 どちらが正しいのでしょうか?
ずっと、使っている
V=(355×a)/Kfomo(g)
K=(Qoc/Qo)−1=(foc/fo)−1
という式については、その出し方については、考察済みです。 この式と、今回の式の違いは?
なんとなく、似た式ですが、その違いをはっきりさせる為に、式を書き換えてみます。
V=(355×a)/Kfomo(g)
K=(foc/fo)−1を代入して
V=(355×a)/((foc/fo)−1)fomo(g)
書き換えると、
V=(355×a)/fomo×1/((foc/fo)−1)
さらに、
V=(355×a)/fomo×((fo/foc)−1)
となり、これを2式と見比べると、2式には最後の−1の部分が抜けています。
こうなると、どうやら単なる間違いとしか思えません。 誰かが展開の途中で間違えたのでしょうか? といっても、例は挙げませんが、結構 世間的に罷り通っています。 それに、1式だけでなく丁寧にも、2式まで存在するのがちょっと引っかかりますところですが、
ここでは、この1式や2式は、間違っているという結論です。


バスレフ箱の箱容量V(リットル)を求めます。
振動板の有効半径aの入力 :cm
スピーカーユニットの最低共振周波数foの入力 :Hz
振動系の実行質量moの入力 :
ユニットのQoの入力:
ボタンを押すと計算結果がでます:

計算結果は次の通りです。

V=(355×a)/(fomo)×(fo/fr)(g) の式において、
frをfoの1.2倍にすると、 リットル
このfrの値を前項のKに換算すると、
focはHzになります。

frをfoの1.4倍にすると、 リットル
このfrの値を前項のKに換算すると、
focはHzになります。

frをfoの1.5倍にすると、 リットル
このfrの値を前項のKに換算すると、
focはHzになります。

frをfoの1.57倍にすると、 リットル
このfrの値を前項のKに換算すると、
focはHzになります。


V=(355×a)/Kfomo(g)の式で計算すると
内容積係数K=0.5とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。

内容積係数K=1とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。

内容積係数K=1.4とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。

内容積係数K=1.5とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。

内容積係数K=1.6とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。

内容積係数K=1.7とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。

内容積係数K=1.8とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。

内容積係数K=1.9とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。

内容積係数K=2とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。

内容積係数K=3とした時の内容積は:リットル
その時のQocは focはHz、 このfocはfoの倍になります。



古典バスレフ箱の内容積は:リットルです。 ポート断面積=実効振動面積とした時のポート長lはcmになります。

上記パラメーターのユニットのSoはで、
この内容積の理想バスレフ箱に入れたとするとScは
ポートのスティフネス:Sdは
このときのSc/Soはとなります。
また、fobはHz、
=0.0012πa(l+3/4a)は
foc1は、foc1=0.16普iSo+Sc+Sd)/(mo+md)より、 となります。
Qocはとなります。

Qoc1はとなります。


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